抽象化小松空港バス

　【ＴＶ視てますか？】
　日テレは平日２４時台を「プラチナイト」と名付けている。２０１３年度から木曜は連ドラ枠「木曜ドラマ」。その名称に今期から頭文字「Ｆ」が加わり「木曜ドラマＦ」と変わった。今期は木村多江主演『ブラックリベンジ』。ＦはＦｌａｍｉｎｇ（炎上）。キーワードは毎クール変わる。
　新装開店。のぞいてみたら、これがいい出来。「木曜ドラマ」、今回初めて最終回まで見ようという気になっている。
　木村は今回が民放の連ドラ初主演。演じるは、ハマリ役ともいえる“幸薄き女”だ。
　「週刊星流」に載った事実無根のスキャンダル記事が元で最愛の夫が自殺。おなかの赤ちゃんも死産となり、絶望のふちに追い落とされた木村の、身震いするほどの執念を燃やす復讐（ふくしゅう）劇が描かれる。
　スキャンダルをでっち上げた３人の名をビデオに遺し、「お先に」とマンションのベランダから飛び降りる夫。その衝撃映像が繰り返し流れ、苦悩と心の闇を抱える木村が復讐（ふくしゅう）心を燃やし続ける。目には目を、スキャンダルにはスキャンダルを。
　セラピストの鈴木砂羽との対話で心の安定を図りつつ、木村は５年後、自ら「週刊星流」の契約ライターとなる。バーテンの堀井新太を協力者に、憎き３人それぞれのスキャンダルを掘り起こし、“星流砲”を撃ち込んで、完膚無きまでにたたきのめす。彼らを記事で追い詰め、さらにこう言い放つ。「骨の髄まで　炎上しなさい」…。だからＦ＝炎上なんだね。
　一方で木村は、夫を自殺に追い込んだ記事を書いたのがデスクの平山浩行だと知る。平山は木村を怪しみ、便利屋のＤＡＩＧＯに調査を頼む…。
　元週刊文春エース記者の中村竜太郎氏が監修しており、週刊誌の取材手法、裏の取り方、編集長（佐藤二朗）と記者たちのやりとり、編集部の雰囲気なども十分にリアルだ。美術さんもいい仕事している。（新橋のネクタイ巻き）